しかし、今回は通る可能性が例年になく高い。それは来春に予定されている消費税率の引き上げがあるからだ。これまで、不動産は高額ゆえに消費税率の引き上げ前後に需要の駆け込みと反動減が顕著だった。関連消費(例:家電・カーテンなど)が多い住宅は、これまで経済浮揚のためのカンフル剤として使われることが多かったため、特に反動減が経済に与える影響は大きい。

 消費税の影響の平準化は税制上も考慮されることは必至で、住宅取得の贈与の特例の金額枠を大幅に拡大することが予定されているものの、これを使う人は親が裕福な人に限られる。これは意外に少数で効果が未知数である。だからこそ、今年こそ採用される可能性が高いのだ。

 これが採用されると、不動産価格に与える影響は大きい。住宅ローン控除の新たな対象となった40平方メートル台のマンションは、10年で最大400万円となる真水の還付金がもらえるようになる。そうなると、40平方メートル台のマンションは需要喚起され、値上がり必至ということになる。

 400万円の還付金と400万円相当の値上がりが狙えるのは、税制改正発表から3ヵ月以内だろう。5000万円の物件なら、400万円は8%、800万円は16%に相当し、仲介手数料や諸費用を十分にまかなうだけの値上がりになる。タワーマンション節税が、タワーのキャピタルゲインを2割余計に実現させるより、読みやすい値上がり幅である。

婚約者の借金を知っても
自分1人でマンションを買いなさい

 とはいえ、40平方メートル台は単身者向きのものになろう。筆者は独身者が積極的に家を買うことを「家活」と名づけて、14冊目の新著『独身こそ自宅マンションを買いなさい』を上梓した。結婚前に婚約者の多重債務が発覚したとしても、マンションン購入を諦めることはない。独身者として40平方メートル台の持ち家を取得する絶好のチャンスが目の前に転がっている。

「タワーマンション節税」と同じく、その火付け役はまたも税制になるかもしれない。税制改正のタイミングでの値上がり期待と税制上の恩恵を受けるには、年末の税制改正大綱を待つことになる。このタイミングは数年に一度の絶好の買い時になるかもしれない。

 そのためにも、今から購入準備をしておく必要がある。そのために、物件を探すよりも先に住宅ローンの審査を通しておくことは、言うまでもないだろう。まずは自分がいくらまで借りられるか把握する、そこからすべてが始まるのだ。

(スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント 沖有人)