この数年のマンション価格高騰の要因のひとつに、建材と人件費の値上がりある。だとすると、オリンピックが終わったからといって、価格が1000万円以上大きく値下がりするのは考えにくい。

 対策はいくつかある。まず、家計を見直し貯蓄が増えるスピードを加速させ、頭金を貯める。これにより借入額を減らすことができる。共働きカップルが家計状況をシェア、貯蓄プランを立てることは、マイホームを買う、買わないにかかわらず、必ずやっておきたいことである。

 物件価格を下げるのは有効なプランだ。新築物件だけでなく、中古物件も選択肢に入れる。さらに都心にこだわらず、ターミナル駅から電車で30分圏内も視野に入れよう。

6000万のマンションを30代共働き夫婦が「買える」と思ってしまう危うさ深田晶恵さんの新刊『サラリーマンのための「手取り」が増えるワザ65~給料、年金、退職金、副業、パート収入、病気、出産で使える!』が小社より好評発売中です。「手取り」を増やすための実践的な方法を解説、「サラリーマンの手取り年収早見表」「年金の手取り早見表」「個人型DC iDeCoの節税額早見表」付き!

 その際気をつけたいのは「保育園縛り」である。筆者の造語である「保育園縛り」とは、共働きカップルが一生懸命、保活(保育園に入れるための努力、活動のこと)の末にやっと入れることができた保育園に通わせることができる範囲でしかマイホームを買えなくなってしまうこと。詳しくは当連載のバックナンバー『共働き夫婦の住宅購入は「保育園縛り」を意識し先手必勝で動け』を参照してほしい。

 物件価格を下げるために、今住んでいるところから離れた場所にマイホームを購入すると、保活をイチからやり直さないといけなくなる。これを避けたいから、今住んでいる賃貸マンションの周辺で物件を探すようになる。しかし、前述のように、賃貸住まいのときに都心に住んでいると、周辺の新築マンションは6000万~7000万円もするのである。

 マイホーム購入を保育園で縛られないためには、子どもが授かる前に都心からほんの少し離れた「子育てがしやすそうな街」に住んでおくのが最善の策だろう。ぜひ、実践してもらいたい。

 住宅ローンと老後の安心はセットである。家賃と毎月返済額の比較で購入に踏み切るのではなく、ローンの借入額の重さもよく考えたい。老後を安心に迎えるためには、多額の借入は禁物と覚えておこう。

(株式会社生活設計塾クルー ファイナンシャルプランナー 深田晶恵)