日本生活29年目を迎える黄さんは、中国の大学を卒業した後に来日。日本の貿易会社に就職し、自動車部品などの取引に携わっていた。夫も中国人だ。

 黄さんは、2人の子どもを育て、ともに東大への入学を果たした。長男は現在大学院2年生で複雑理工学を専攻し、次男は工学部に所属している。

東大の合格発表の日、自分の受験番号を見つけた黄さんの子ども
東大の合格発表の日、自分の受験番号を見つけた黄さんの子ども ©東方新報

 子どもたちは、学校と自宅で基礎的な部分を学び、塾では東大など難関大学に合格するための専門コースで勉強。いずれも成績上位を維持し続けたという。

 2人の学習環境を作るのは、苦心惨憺(くしんさんたん)たるものだったと黄さんは振り返る。「まずは言語の取得が重要で、そのためには環境が最も重要だ」と言う黄さんは、2人の子どもに小さい頃からテレビで英語のアニメを見せていた。「たとえ真面目に見ていなかったとしても、子どもたちの記憶には自然と見聞きしたことが残っているから」と黄さんは話す。

 長男が小学校1年生になったときには、中国語を忘れさせないようにと、夫を置いて子どもとともに中国へ帰国。次男が生まれたこともあり、都合8年中国にとどまった。だが、その間も日本語をおろそかにさせないため、家の中では日本語でしか話さないようにした。日本に帰国した後は逆のことを行ったというが、こうした努力によって、子どもたちの中国語と日本語のレベルは向上した。

勉強嫌いを克服するために
家庭教師に大学の魅力を教えてもらう

 周さん(仮名)は、日本の筑波大学を研究生として卒業して以来、日本で仕事を続けている。中国人の夫は日本のIT企業に勤務し、あっという間に27年の月日が経過した。

 周さん曰く、周さんの子どもは小さいころから気が強く、自分の決めたことは誰が何と言おうと聞かない性格だったという。そして何より、小さいころから大の勉強嫌いだったという。