広島カープ
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“自前”戦力での3連覇、
原点はスカウト力にあった

 2018年9月26日、広島カープは球団史上初のリーグ3連覇を決めた。この日のスタメンは全員が生え抜き選手。途中出場した新井貴浩もカープでプロ生活をスタートさせ、代打で打席に立ったバティスタはドミニカのカープアカデミー出身だ。12球団を見渡しても、これほど“自前”の戦力で構成されたチームはカープのほかには見当たらない。

 一言でまとめてしまえば、ドラフト戦略と育成がかみ合い、機能しているということだ。

 そのサイクルの出発点は、スカウトにある。

「練習着で外野に走っていく姿を見れば、背番号がなくても、いい選手はわかります」(『広島アスリートマガジン』2017年7月号)

 そう言い切る苑田聡彦スカウト統括部長は73歳。選手の本質を見抜く眼力には定評があり、小早川毅彦、江藤智、金本知憲、黒田博樹らを発掘した名スカウトとして知られる。阪神タイガースから出戻り、精神的支柱となってカープの躍進を支えた新井もまた、もとをたどれば苑田の網にかかった選手だった。

 全国に散る地域担当スカウトたちも、有望選手の一挙手一投足に熱視線を注ぐ。