コスト面の障壁を打破

 そしてキャッシュレス化がじわりと進む中、注目されるのは、アプリを入れるとすぐにVISAのプリペイドカードをスマートフォンで利用できるサービスを提供するベンチャー企業、カンムと9月に提携したことだ。

 提携する金融機関数が頭打ちの中、電子マネーへの入金でも手数料収入を得られるなど「環境変化に合わせて提携先を増やす」(セブン銀行業務推進部の膳和範次長)ことで、手数料収入と来店客を同時に増やすことができる。

 それだけではない。通常の金融機関との提携には「CAFIS」と呼ばれる専用回線を用いるため、「数千万円規模の費用を提携先が負担する必要がある」(IT企業幹部)。だが、今回のカンムとの提携では「セブン銀行が開発した共有回線を使用する」(同)ことで負担を大幅に軽減したのだ。提携先の拡大に向け、新興企業にとってネックとなるコスト面の障壁を取り払ったというわけだ。

 相次いでキャッシュレス対応を進めるセブン銀は、2020年にも新型のATMを全国展開する予定で、さらなる非現金決済への対応に力を注ぎ、ローソン銀を突き放す構えだ。

 既存のATMがあるためにゼロからの出発ではないとはいえ、“数周回遅れ”のローソン銀の成否は、スタートダッシュに懸かっている。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 田上貴大)