実に7年ぶりとなる銀行業への新規参入を果たしたローソン銀行が、10月15日に営業を開始した。中核となるのは、全国のローソンに設置されているATM事業だ。預金口座の開設をはじめ、地域銀行との連携強化や、将来的にはクレジットカードの発行などをする予定だ。
この新規参入に対しては、懐疑的な声が少なくない。超低金利が長らく続く中で「あらゆる銀行が稼げない時代」(金融関係者)に突入しているからだ。
ローソン銀に先立つこと17年前にコンビニ銀行としてスタートしたセブン銀行にしても、今や再加速の気配はない。単体収益の9割、連結収益で8割以上を占めるのが、ATMの利用者が提携金融機関の口座から現金を出し入れしたときに得る手数料だ。金融商品の販売代理業務も手掛けてきたが、収益源にはならず“一本足打法”から抜け出せてはいない。
そうした中、事業方針にさほど目新しさがないローソン銀については「なぜ今さら銀行免許を取得したのか」(メガバンク行員)という声が上がる始末だ。
しかもセブン銀は、ローソン銀が営業を開始した同日、交通系電子マネーや「楽天Edy」にチャージできる機能をATMに追加すると発表。セブン銀の舟竹泰昭社長には「キャッシュレス化が進む中で新しいATM像をつくる」という思いがあり、先駆者としての自負を示したといえる。