日立製作所の東原敏昭社長は日本経済新聞のインタビューで「データを基に設計図面を自動生成し金型や製造プロセスに落とし込める。データから何でも作れる。しかも少量多品種で。そんな時代が目の前に来ている」と話している。

 だとすれば、ゾゾのゾゾスーツを基盤にしたビジネスモデルでは、採寸データとPBによるデータを蓄積しユニクロ柳井会長が強調する「知見や資源」が必要ない別の新しいアパレルの製造販売の効率のいい仕組みを構築しないとも限らない。

 柳井会長自身が認めるように、ユニクロは「ECは後発。店舗での顧客接点は知っているが、ECの顧客接点はこれから」とも語っている。

 このため、ECでのシェア奪取には時間がかかっており、2018年8月期の国内ユニクロ事業のEC売上高は630億円、前期比29.4%増。EC比率は7.3%である。EC化では22年にグローバルで現在の9%から18%に引き上げる目標を設定しているが、大量の店舗網を持っているため、完全にシフトできないジレンマもあるのだろう。

ゾゾがひたひたと迫り
ユニクロを揺さぶっている

 ユニクロは国内800店以上の店舗を持っており、今のところ「強み」ではある。しかし、それだけに「重装備」でもある。店舗を多く持っていることは大量の在庫を保有していることになり、値引きして売り切っていかなければならない宿命を背負う。

 ゾゾはゾゾスーツを核に、まさにオーダーメードに近い形の生産販売方式を模索しているといえる。

 そこには過大な在庫も廃棄も発生しない。

 柳井会長はその発言からして強気な姿勢である。

 だが、はるか後方を走っていたゾゾがひたひたと迫り、ユニクロを揺さぶっているのは間違いないだろう。

 ユニクロは柳井会長が言うようにビジネスモデルが違うからといって、ゾゾのビジネスモデルに追いつかれ、追い越される日は来ないのか――。