衣料品のECサイト、ZOZOTOWN(ゾゾタウン)の身体計測スーツ「ゾゾスーツ」による取扱高拡大計画は大風呂敷か、それとも世紀の発明か――。スタートトゥデイが野心的な中期計画を打ち出した。新たに身体のサイズが計測できる採寸用のボディスーツである「ゾゾスーツ」を開発、このゾゾスーツとプライベートブランド(PB)の製造販売で国内衣料品のネット販売市場を席巻しょうという計画なのである。(流通ジャーナリスト 森山真二)
ドットのついたボディスーツで
全身のサイズを細かく採寸
ゾゾタウンの運営会社、スタートトゥデイが無料で配布を始めた新型のゾゾスーツはドットのついたボディスーツを消費者が着用、スマートフォンで360度、撮影し全身を採寸する仕組みである。全身のサイズがこと細かく採寸できるというものだ。
スタートトゥデイは、このゾゾスーツを今期(19年3月期)600万〜1000万着を無料で配布。これにより購入に結び付く金額は今期135〜225億円だが、3年後をめどにPB売上高2000億円を含め、商品取扱高7150億円を目指すというのである。
7150億円といえば全国の百貨店衣料品売上高の約4割程度の規模に匹敵、ユニクロの国内売上高(17年8月期)の約9割に迫ろうかという数字だ。
業界では「前澤氏は大風呂敷を広げたものだ」(百貨店関係者)、「絶好調な業績を背景にしたカラ自信」など、衣料品を扱う専門家の間では計画に極めて懐疑的な声がしきりである。
その一方でゾゾスーツについて、衣料品のサイズで悩む消費者が多いことから「こんな身体のサイズの計測の仕組みはありがたい」、「もうサイズがなくて悩まなくてもいい。たぶん、ゾゾのリピーターになる」というように賞賛の声が上がっているのも確か。