格差や貧困問題の是正が放置されているうちに、「アンダークラス(パート主婦を除く非正規労働者)」が900万人を突破、日本は「階級社会」への道を突き進んでいる。中でも「中間階級」が崩壊、新たな貧困層が生まれてきた。それは、どん底一歩手前の「マイルド貧困」とも呼べる新たな階級だ。そこでDOL特集「『マイルド貧困』の絶望」第11回は、年収1800万円だった週刊誌の敏腕記者が、年収200万円まで転落した軌跡と理由を追った。(ライター 根本直樹)
年収1800万円の元敏腕記者が
共同便所、家賃3万円の部屋に転落
3年ぶりに会った河田聡(仮名・48歳)は、げっそりと痩せ細り、顔だけが病的にむくんでいた。糖尿病とアルコール依存症の影響だという。家賃3万2000円のアパートの自室には、本とチューハイの空き缶が散乱していた。汚れた茶碗に注いだ焼酎をちびちび舐めながら、河田は最近の暮らしぶりを語り始めた。