本来、重要な外交日程が組まれている敏感な時期に、相手国の神経を逆なでするような行為は慎むべきなのに、日中双方は平気で継続している。しかも、互いに本気で相手国を怒る気配もない。

 こうした行動こそ、日中合作新時代の特徴の1つといえる。つまり国益重視の原則を守りつつも、例えば首脳の訪問など、手を携えるべきところは積極的にその行動を起こすというものだ。

是々非々の交流と付き合いが
日中合作新時代のカラーに

 5月に日本を訪れた中国の李克強首相と安倍首相は、首脳会談を通して日中両国が第三国での経済協力を積極的に進めるという方向を決めた。中国は一帯一路経済圏の構築に没頭しているが、海外への投資経験は乏しい。そこで先輩役の日本から投資ノウハウを学ぼうというもので、第三国での経済協力はまさに経済交流がハードからソフトへ転換する好例となる。

 いまや力関係が変わった日中両国は、新たな隣国同士の関係を構築する時代を迎えようとしている。確かに、国益を求めての小競り合いはこれからも起きるだろう。しかし、互いの国益を守るために交流や協力、提携もどんどん始まると思う。

 大切なのは、日中両国が互いに平和を求める気持ちで、新しい課題に手を携えて対処していくという原則の堅持だ。是々非々の交流と付き合いが、日中合作新時代のカラーになるだろうと思う。

(作家・ジャーナリスト 莫 邦富)