プロの舞台で花開くか否か。それが「やってみないとわからない」性質のものである以上、ドラフトが成功だった、失敗だったと断じることは不可能だ。
論じることができるとすれば、目当ての選手の交渉権を事前の戦略通りに獲得できたかどうか、という点になる。そして特に重要なのが、評価が高い上位24人、2巡目までの指名をどう乗り切るかだろう。
ドラフト会議の直前、ある球団幹部はこう漏らしていた。
「難しいですよ、今年は。重複はまず避けられないでしょう」
10月25日、その言葉は現実のものとなった。楽天、阪神、ロッテが立て続けに藤原恭大(大阪桐蔭)を1巡目で入札すると、最大の目玉である根尾昂(大阪桐蔭)に4球団、小園海斗(報徳学園)にも4球団の入札が集中。単独指名に成功したのは、松本航(日体大)に入札した西武1球団だけだった。