1月26日、今年の選抜大会出場36校が発表された。地方大会で各都道府県の優勝校が出場する夏の選手権大会と違って、春は「選抜」大会のため、出場校は選考委員が選んでいる。そのため、ボーダーライン上の学校の出場は、選考委員のさじ加減が大きくものをいうといってよい。
そもそも選抜大会では、以前から初出場となる学校を優遇することがあった。これは、「いつも同じ学校が出るのはつまらない」という興行的側面と、「多くの学校の選手に甲子園を経験させてあげたい」という教育的配慮の両面がある。
2001年からは、こうした初出場校優遇策を制度化して、初出場やしばらく振りの学校を選出する21世紀枠(*)を設けている。そのため、毎年確実に初出場の学校が選抜されるようになった。
今年の初出場校は、一般枠では明秀日立高(茨城県)、中央学院高(千葉県)、乙訓高(京都府)、富島高(宮崎県)の4校。これに21世紀枠の由利工業高(秋田県)と伊万里高(佐賀県)の2校を加えて計6校が春夏通じて初めて甲子園に登場する。6校というのは近年では比較的多い方だ。
また、出場校の一覧を見ると、大阪桐蔭高や明徳義塾高、智弁和歌山高、東海大相模高など、名の知られた常連校がズラリと並んでいる。聖光学院高(春4回、夏10回)と明徳義塾高(春6回、夏8回)は2008年以降だけでも春夏合わせて14回目、大阪桐蔭高(春7回、夏5回)と智弁和歌山高(春5回、夏7回)も12回目であるなど、特定の学校が独占しているように見える。これを見る限り、甲子園に出場できるのは、野球部に力を入れているごく一部の特別な学校だけであるという感じがする。
*直近の2008年からの10年間では、21世紀枠のほかに2008年は希望枠(1校)、2013年は東北絆枠(1校)が設けられた。