10月26日、今年のプロ野球ドラフト会議が開催された。かつてのようにドラフト外で入団するという道はなく、日本人選手がプロ野球に入団するためには必ずドラフト会議で指名されなければならない。
今年指名されたのは本指名82人、育成指名32人の計114人。その出身高校は多彩で、誰でも知っている名門校から、かなりの野球通でも聞いたことがないような学校まで様々。なかには、独立リーグのBCリーグ・富山サンダーバーズからロッテ育成1巡目で指名された和田康士朗選手のように、埼玉県立小川高時代は野球部に属していなかったという選手もいる。
この時期になると、この10年間で最も多くプロ入りした選手の出た高校はどこか、あるいはドラフト制度が始まって以来最も多くの選手が指名された高校はどこかという記事がよく出るが、そうした枠を取っ払って1936年のプロ野球誕生以来、最も多くの選手をプロ球界に送り込んだ高校はどこだろうか。
最初にお断りしておきたいのが、日本のプロ野球界には、公式戦に出場した全選手の名簿はあるが、在籍した全選手の名簿は存在しないということだ。そのため、ここで集計されているのは筆者が独自に調査したもので、まだ一部に未集計の選手が残っている可能性がある。
もう1つ問題になるのが、名門・古豪といわれる歴史の古い学校には、途中で分離や合併など様々な変遷のある学校も多く、どの学校をもってどの学校の前身とするかに見解の分かれる学校もあることだ。
例えば、慶応高は、戦前は慶応普通部と慶応商工に分かれていた。戦後創立された慶応高は慶応普通部の後身とされることが多いが、慶応商工も同校の前身とする人もいる。一方、慶応高のホームページでは、同校は1948年に創立された学校とあり、慶応普通部・慶応商工ともに前身とは見なしていないようにも見える。
愛媛県の名門松山商は、戦後の一時期、旧制松山一中の後身である松山東高に統合されていた。しかも、この時代に甲子園で優勝するなど野球部も活躍、その時代の選手もプロ入りしている。彼らを松山商のOBとするか、松山東高のOBとするかは難しい。
そうしたことを踏まえて作成したランキングのため、見解によって多少の誤差が生じることをご了解いただきたい。なお、本文中に出てくる選手のチーム名は2017年11月1日時点での所属チーム(FAやトレード等で複数の球団に所属した場合は最終所属チーム)を表示している。