米民主党が下院過半数を奪還したことで、ドナルド・トランプ米大統領が進める通商協定の見直しや規制緩和は難航するとみられている。エバコアISIのシニア政治ストラテジスト、テリー・ヘインズ氏は「大きな法改正はもうない見通しだ。追加減税やビジネス絡みの政策変更はないだろう」と予想。「一方で、トランプ政権下で成立した法律が変更されることもない」とみる。共和党は昨年から取り組んでいる減税措置で、新たなハードルに直面する見通しだ。下院民主党は、予算協議の一環として法人税引き上げを要求するなど、増税を進める公算が大きい。昨年成立した個人減税の恒久化に向けた動きも、阻止する構えだ。米商工会議所の最高ポリシー責任者、ニール・ブラッドリー氏は「税法の条項を巡り、一部の産業は守勢に立たされる可能性がある」と話す。下院民主党は党が掲げる政策の原資を確保するため、気に入らない税制を標的にするとみているためだ。