では、Sマネジャーはどうすればよかったのでしょうか。会話から学んでいきましょう。

Sマネジャー 「いつから、どんなところが限界と感じていますか?」
Aさん 「以前から何度かマネジャーにもメールで伝えている通り、後輩の教育についてです」
Sマネジャー 「メールでいろいろと書いてあったのは、そのことを伝えたかったということだったの?」
Aさん 「はい。今の詳しい状況をマネジャーに知ってもらおうと思い、何度もメールで現状報告をしました」
Sマネジャー 「そうか…。もっと早くメールの内容に気づくべきでしたね」
Aさん 「私の中では、伝えたつもりでいましたが…。伝わっていなかったのでしたら申し訳ございませんでした」
Sマネジャー 「こちらこそ、すぐに返信できなかったし、申し訳なかったね。マネジャーとして至らなかったことを反省して今後に生かしますので、これから問題を感じた場合は、メールでの現状報告の他に、その都度、話を聞かせてくれませんか?」
Aさん 「そうですよね。私、現状報告をすれば、マネジャーが問題に気づいてくれるのではないかと考えてしまったのかもしれません。私にも、後輩が増えているので、自分から発信する方法をもう少し考え直そうと思います」

 このように、Sマネジャーがラインケアを意識して会話を展開することによって、管理者としてのアクションを起こしつつ、Aさんにもセルフケアの視点を持つよう促すことができました。

アクションを自ら起こし
相乗効果を生むべき

 企業では、メンタルヘルス研修が実施され、管理職の方が受講される機会も増えています。メンタルヘルスについては、企業が取り組むべきこともありますが、現場の管理職と部下との間にあるストレス対策も意識することが大切です。

 そうしなければ、部下が休職したり、転職したりすることを防ぐことができなくなってしまいます。管理職の方たちは、自らアクションを起こし、部下のセルフケアについても指導していきましょう。