上場企業の超優秀な管理職の部下が次々と辞めた意外な理由

「働く人の支援を行う専門家」である産業カウンセラーとして、11年間で6500件のセッションと社員研修を行い、ビジネスパーソンの問題解決を多方面でサポートしてきた宮本実果氏。その経験から、ダメな、しかもどこがダメなのか気づいていない中間管理職があまりにも多いと言う。そこで、ケーススタディから素晴らしい管理職を養成する「管理職養成講座」を開講する。

超優秀で成果も必ず上げる課長なのに
なぜか部下が休職や転職をしてしまう

 ある大手上場企業の営業部に勤めるA課長(46歳)は、入社当初からかなり優秀で、今までどんな上司の下で働いても、必ず成果を上げてきました。

 しかし、仕事ができるからこそ、相手にも自分と同じような成果やスピード感を求める癖があり、結果、部下たちが休職したり、転職したりしてしまうことが続いていました。

 本人はとても人当たりがよく、誰からも好かれ、上司からの信頼も厚い。一見、何の問題もないような人に見えるのですが、それは大きな間違いのようです。

 A課長と部下の会話はいつもこんな感じでした。