未来のトイレに下水管は不要だ。提案段階のモデルの中には便器洗浄用の水さえ使わないものもある。下水道なしで稼働し、人間の排せつ物――業界用語では「し尿汚泥」という――を電気やきれいな水に変えることができる。それが未来のトイレだ。それがどういうものか、ビル・ゲイツ氏には分かるはずだ。同氏は以前、排せつ物からできた水を飲んだことがある。その水はセドロン・テクノロジーズが開発した小型排せつ物処理プラントでろ過したものだ。今月6日に北京で開催されたトイレの展示会には同社も出展した。ゲイツ氏はインタビューで「(ろ過水は)おいしかった。普通の蛇口から出てくる水よりきれいだった」と語った。ビル&メリンダ・ゲイツ財団が安価で下水道を使わないトイレの開発を呼び掛けてから7年、複数の試作品が初期の試験段階に入っている。この新世代のトイレが実用化されれば、衛生的なトイレを利用できない40億人を超える人々の間で病気のまん延を抑制できるかもしれない。