ペットの犬や猫が気道に異物を詰まらせて窒息したらどのように助けたら良いのでしょうか。リスク対策.comで消防士、レスキュー隊、救急隊員、消防団員が消防現場でペットを助けるための基礎知識「ペットの救急法」を伝えているサニーカミヤ氏のコラム『ペットライフセーバーズ:助かる命を助けるために』より紹介します。
犬や猫が、異物を喉に詰まらせて窒息するまでに至ることはかなりまれだと思っていましたが、ペット事業関係者に聞いてみると、頻繁に発生していることがわかりました。
今回は、犬や猫が気道に異物を詰まらせたときの除去の仕方をご紹介いたします。まず、2016年起こった窒息事故の事例です。
都内のドッグランで起こったクッキーの入ったビニールを飲み込んだ事例
ある犬の飼い主Aさんが、友達Bさんの犬と遊ばせるためにベンチを立った際、ポケットに入れていたトリーツ(ご褒美のクッキー)の入ったビニール袋を落としたところ、近くで遊んでいた別の犬がトリーツを咥えて持って行ってしまい、数匹の犬と取り合いになりました。
Bさんはビニール袋に入った状態のトリーツを取り上げようと追いかけたところ、トリーツを咥えていた犬が急いでビニールごと飲み込んでしまい、ビニールが喉に引っかからせて、窒息状態になってしまったそうです。
近くに居た窒息した犬の飼い主が駆けつけて、犬の口からビニールを引き出して事なきを得ましたが、もしあのままだったら窒息して大事故になっていたかもしれないということでした。
Bさんによると、あっという間の出来事で、とても怖かったそうです。
それでは、具体的にどのようにして気道に詰まってしまった異物を取り除くことができるのかを説明いたします。