年末ジャンボ宝くじが発売となり、今年も大変な人気となっているようだ。確率的に考えれば、宝くじを買うのは損。なのに、なぜ人々は買ってしまうのだろうか。(久留米大学商学部教授 塚崎公義)
期待値は5割程度なのに
なぜ年末ジャンボを買うのか
宝くじを買うことは、純粋に確率を考えれば損なことだ。宝くじの購入金のうち一部は運営側が販売費用と自分たちの利益を確保した上で、残りが当せん金になるのだから、買った人の損得を全部合計すれば赤字に決まっている。つまり、1人当たりで見ても「期待値」はマイナスなのだ。
実際のところ、期待値は5割程度だといわれている。つまり、発売されている宝くじを全て買い占めると、購入金額の半分しか戻ってこないというわけだ。もちろん、1枚当たりの期待値も購入金額の半分だ。
なのに、なぜ人々は宝くじを買うのだろうか。筆者の理解では、理由の半分は錯覚に基づくものであり、理由の半分は合理的なものだと考えている。