増税に惑わされず冷静に!
「必要な工事を、必要なときに実施する」が鉄則

 来年の増税を前に、管理会社やコンサルタント会社、工事業者から、「大規模修繕工事は、消費税が上がる前に、工事契約だけでも結んでおいたほうがお得ですよ」とか「1億円の工事ですと、2%の増税で今より200万円も余計にかかりますから、契約するなら今のうちです」などと言われ、焦りを感じている管理組合も多いことだろう。

 確かに増税分で増える200万円という金額だけを見れば、「なるほど、増税後に余計な税金を支払うことを考えたら、増税前に急いで契約だけでもしておいたほうが得かもしれない」と思えるのは当然だ。しかし、大至急必要な工事でない限り、決めるのはちょっと待ってほしい。

 繰り返しになるが、こうした増税前後の動きは、消費税の導入時や過去の増税のどのタイミングでも同じような状況になった。おそらく今回の増税でも同様に、駆け込み需要による工事費の高騰と、増税後の工事費の値下げという動きがあるだろう。

 特に、各マンションの状況に応じて仕様が決まる大規模修繕工事のような、いわゆる「定価」のないものについては、先ほど例に挙げた家電商品や消耗品といった定価のあるものに比べて、そうした増税前後の値動きが顕著に表れるものだ。

 例えば、200万円の消費税の支払いを避けるために、出された見積り通りの1億円の工事を焦って買ったとして、実はそれが、増税後なら8000万円、あるいは7000万円で買えた工事だったかもしれない。

“迷える子羊”である管理組合のみなさんには、ぜひ管理会社やコンサルタント会社、工事業者たちの言葉巧みな営業に乗らず、あくまでも「必要な工事を、必要なときに実施する」というスタンスで、冷静に判断していただきたい。