「私たちも参加させていただいた、みのるさんのデビュー30周年記念野外フェスティバル『大海賊祭』で、初日は大雨が降ったんですね。それでも1万人を超える人たちが、会場となった横浜赤レンガ倉庫イベント広場に集まったんです。

 そのとき、無料というワードの持つ告知効果の高さを改めて実感しましたし、みのるさん自身も広告には力を入れずに集客したようでした。無料という言葉には“祭感”があって、お客様だけでなく、協賛企業を集める効果もあります。

 来年7月のビッグマッチには、平常時の約3倍となるお問い合わせが来ています。蓋を開けてみないとチケットの売れ行きが見えない有料の大会とは違って、無料の大会、しかもビッグマッチであれば『確実に集客できる』と、はじめから自信を持って言えるわけです。

 無料のビッグマッチは、話題性が非常に高いと感じていただいているせいか、今まで協賛が入らなかった業界からも引き合いがありますね。PRブースや場内ビジョン、CM露出、大会や試合に付ける冠(※)サンプリングなど、いろいろな広告メニューを用意しています」

※2018年8月に開催された大会「BLACK OUT presents KING OF DDT 2018」のように、大会や試合そのものにスポンサーが付き、勝者に金品等が授与される仕組み

「物販」もカギを握る。各大会では物販の売り上げが、全体の売り上げの約2割を占める。無料イベントという“ハレ”では、通常時の売上の1.5~2倍になる可能性がある、と見越して大会限定グッズの準備にも力を入れる。ビッグマッチというボリュームのある大会をタダで観戦できて、気持ちが高揚している流れで、物販コーナーでお金を落とす客が増える、と見込んでいるのだ。

失敗した興行も多い
だから今がある

 大会の成功を確信する高木氏だが、これまで「失敗」と言える取り組みも数多くしてきたという。例えば、2010年代初頭に実施した「春のビアガーデンプロレス」。

 夏季限定のビアガーデンプロレスが大成功を収めたため、年間を通してビアガーデンプロレスを実施しようと考え、4月に開催したところ、その年は例年より寒く、驚くほど集客ができなかったという。