総予測2026Photo by Yuji Nomura

資源価格高騰の反動の影響を受けず、着実に右肩上がりで成長してきた伊藤忠商事。2026年3月期の通期純利益は9000億円を見込み、悲願だった「財閥系商社超え」を達成する公算が大きい。さらなる成長のための「勝ち筋」は何か。特集『総予測2026』の本稿では、石井敬太社長が持続的成長を成し遂げる戦略を明かす。(聞き手/ダイヤモンド編集部 猪股修平)

関税に振り回された「トランプイヤー」
今は「解決できないレベルではない」

――2025年を振り返っての所感を。

 全体的に言えば、トランプ(米大統領)に始まりトランプで終わる「ザ・トランプイヤー」ではなかったでしょうか。

 前半は米国関税の衝撃でひるみ、どのように対応していいのか分からないという雰囲気がありました。だんだんと税率の落としどころも見え、今は「解決できないレベルではない」と受け止めています。

――総合商社は総じて、関税による影響は限定的だった印象があります。

 ご存じのように当社は国内の投資案件が多く、大きな影響は受けませんでした。一方で悩みの種は、本来25年に立ち上がるべきだった豪州の原料炭案件で断層に差し掛かり、対応コストをかけたり生産が停滞したりしたことです。それに伴って基礎収益が落ち込んだようにも見えましたが、非資源分野の基礎収益が非常に好調で、結果的には堅調に推移しました。

 当社は事業会社への経営関与度が高い「ハンズオン経営」が強みです。だから各社の状況が手に取るように分かる。半期終わるごとに主要事業会社約50社の社長にヒアリングをしており、その内容を見る限り、堅調といえます。

――26年3月期の通期純利益は9000億円と、五大商社でトップになる見通しです。常々掲げている「財閥系商社超え」を達成する転換点ではないでしょうか。

2025年を「ザ・トランプイヤー」だったと石井社長は振り返る。米国の関税ショックが市場を揺るがしたが、伊藤忠はなぜ着実な成長を遂げられたのか。26年3月期に純利益9000億円を見込み、悲願の「財閥系商社超え」を達成する公算が大きい今、石井社長が次なる成長の「勝ち筋」を明かす。