病気やケガ、事故・災害といった突然降りかかる災難に伴う値段はもちろん、“いつかはかなえたい夢”をいざ実現に移すときの値段まで、「いざというときの値段」を徹底調査した。

地震対策に効果大!耐震補強にはこれだけかかる

 耐震強度偽装問題などで、地震に対する備えの重要性が再認識されている。しかし、実際に自分の住む住宅は安全なのだろうか。

  耐震診断をしようにも、専門家に出張してもらい、簡単な検査をしてもらうだけでも10万円以上かかる。ここで二の足を踏んでしまう人が多い。

 安く上げようとするなら100円ショップで売っている金具を家具に付けるだけでもそうとうな効果がある。また、アート引越センターでは、1万9800円で作業員二人を派遣して、重い家具などを持ち上げて耐震粘着マット3セット(追加も可能)を敷くサービスを実施している。

 しかし、地震に備えて自宅を全面的に建て替えるなどすれば費用は青天井となる。建て替えまでしなくても、耐震補強工事をする場合でもかなりの出費だ。費用は広さや築年数、立地条件で千差万別だが、たとえば横浜市では最高で450万円の補助金を出していることからもわかるとおり、100万円単位の費用がかかることは間違いない。

  高負担ゆえに、耐震補強工事が進まない状況に痺れを切らした東京都は、2006年2月に「安価で信頼できる耐震装置」を募集、3月に展示会を行なった。

 展示会では31の製品が紹介されたのだが、そのなかで話題を集めたのが注文住宅メーカーの一条工務店が開発した木質シェルターだ。これはベッドが2台置ける3畳ほどの木製の「シェルター」で、上の写真にあるように家屋が倒壊しても、そのシェルターは壊れず圧迫死を免れる構造である。この性能もさることながら、話題の焦点は運搬料と工事費込みで31万5000円という価格だった。もっとも、これは無防備なために死亡確率の高い就寝中の被災を防ぐ装置。シェルター以外の部屋にいる場合の危険度は変わらない。万全の備えをするためには家全体を耐震構造にする必要がある。ただし、前述のようにリフォームで耐震補強をする場合の費用はケース・バイ・ケースだ。