消費税の増税が本決まりになり、景気の下支え策が色々と検討されているようだ。筆者は「増税を焦るな」という立場だが、決まってしまったものは仕方ない。万が一にも性急な財政再建が、景気という“金の卵”を産む鶏を殺してしまわないよう、しっかりとした景気対策が求められよう。(久留米大学商学部教授 塚崎公義)
景気は税収という
金の卵を産む鶏
4月から9月までの税収が、27年ぶりの高水準と極めて好調だ。バブル期には及ばなかったものの、通年ではバブル期を超える可能性も見えてきた。
なぜ税収が好調なのか。それは、景気は税収という“金の卵”を産む鶏だからだ。グラフは、名目GDPと税収の関係を示したものだが、名目GDPがわずかに増減しただけで税収が大幅に増減していることが見て取れる。
ちなみに、2014年度については例外だ。景気は今ひとつだったが、消費税率の引き上げによって名目GDPが増え、税収も増えたからだ。