消費税再増税が世間で言われている以上に最悪のタイミングである理由写真:首相官邸HPより

このタイミングでの消費税増税は
日本経済にダブルパンチの危険性

 安倍首相が、来年10月の消費税再増税を予定通り実施することを明言しました。しかし、経済の先行きを考えると、これは日本経済にとって予想以上に大きなダメージとなり、政権のレームダック化も進めかねないのではないでしょうか。

 というのは、来年10月に消費税再増税を行なうことは、結果的に最悪のタイミングとなりかねないからです。

 米国経済は絶好調を維持していますが、それは景気拡大が続く中でトランプ大統領が大規模減税や財政出動を行なったからです。内外の多くのエコノミストは、来年前半にはそれらの効果が切れるので、FRBの継続的な利上げの影響もあり、過去10年も続いてきた米国の景気拡大は来年前半にピークアウトすると予測しています。

 それが現実になった場合、米国経済のスローダウンは日本経済にも波及するので、今は景気が良い日本経済も、来年前半には米国経済と同様にスローダウンする可能性が高いと考えるべきです。その直後のタイミングである10月に消費税増税を行なったら、日本経済にはダブルパンチとなりかねません。

 かつ、それは政治的にも厳しいと言わざるを得ません。株価は景気や企業業績を先取りして動くことを考えると、来年7月の参院選のタイミングでは株価が低迷する中で景気の雲行きが怪しくなるという、与党側にとっては非常に不利な状況になりかねません。

 来年10月という消費税再増税のスケジュールはもう法律に書かれてしまっているので、やむを得ない面もあるとはいえ、結果的に最悪のタイミングで消費税増税を行うことになりかねないのではないでしょうか。