2019年10月に消費税率の引き上げを控えて、各種の経済政策(ポイント還元、プレミアム商品券の発行など)が打たれようとしている。
しかし、これらは一見、増税による消費の落ち込みを防ぐ景気対策の“衣装”をまといながら、その実は選挙対策(2019年4月の統一地方選、7月の参院選)になっている。
なぜ日本では、消費税は、社会保障などの財源を安定化する「経済問題」から容易に「政治問題」にすり替わるのだろうか。
そこには、(1)消費税負担者の急速な高齢化、(2)高齢者比率に比例して高まる「1票の価値」という2つの問題が横たわっている。
徐々に閉じる「ワニの口」
税収が上向き財政赤字減少
安倍政権は2019年10月の消費増税路線を確定させた。無論、2019年度に入ってからでも、減額補正によって消費増税を凍結することは技術的には可能だ。
だがそれでも、財政の持続性の向上を念頭に置けば、消費増税は既定路線と位置付けてよいだろう。