米疾病対策センター(CDC)が29日発表したデータによると、昨年の平均寿命は78.6年で、前年より約1.2カ月短くなった。自殺の増加がほぼ10年ぶり高水準だった。フェンタニルなど強力なオピオイド鎮痛薬による死者も増え続けている。昨年はインフルエンザ、肺炎、糖尿病も死亡増加の要因になった。2017年のデータは、米国内で若年・中年層を中心に薬物依存や絶望感が広がり、高齢者や医療を利用しにくい人々が病気で苦しんでいる様子を浮き彫りにするものだ。専門家は、米国の景気回復が進む一方で、個人の生活水準や幸福度が上がっているかは疑問だと指摘している。米国の平均寿命は14年以降で約3.6年短くなった。先進国では寿命の短縮は異例。経済協力開発機構(OECD)の直近の長寿国番付によると、日本が84.1年で首位、スイスは83.7年で2位。米国は29位と、他の先進諸国に大きく水をあけられている。