今となっては信じがたいが、ジョージ・H・W・ブッシュ氏は1988年に「弱虫」だと批判された。当時、ブッシュ氏は8年目の副大統領だった。それ以前には中央情報局(CIA)長官、国連大使、下院議員を務めた経験があり、第2次世界大戦を戦っていた時には空軍パイロットとして太平洋で撃墜されたこともあった。戦後は居心地のいいコネティカット州を離れ、テキサス州で石油業界に入った。ロナルド・レーガンの後を継ぐ大統領選に出馬すると、メディアにたたかれた。ブッシュ氏は共和党予備選を制してそれに応じ、本選ではマイケル・デュカキス氏のリベラリズムをあぶりだして勝利を手にした。同じ党から3期連続で大統領が生まれるのは珍しい。愛国者としての義務心と品位によって模範を示した元大統領は、11月30日に94歳で死去した。
ジョージ・H・W・ブッシュ氏の光と影
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