英国のテリーザ・メイ首相は、欧州連合(EU)離脱に関する政府とEUの合意案を巡り、11日に予定されていた議会採決を延期した。EU離脱を巡る混迷にさらに拍車がかかる可能性がある。メイ氏は10日、閣僚と1時間にわたって協議し、採決の延期を決定した。閣僚の多くは、議会で大差で否決されれば政権が崩壊し、離脱交渉がさらなる混乱に陥りかねないとして、メイ氏に11日の採決を中止するよう強く迫った。メイ氏は議会に対し、EU離脱後の北アイルランド国境問題への対応について懸念が広がり、法案成立が危うくなったと判断したため、11日の採決中止を決定したと説明。「明日の採決を実施すれば、大差で否決されるだろう。それゆえ、明日に予定されていた採決を延期する」と言明した。