カルロス・ゴーン氏の逮捕を受けた日産・ルノー連合内の緊張の高まりは、世界の自動車メーカーによる合併・提携を成功に導くことが決して容易ではないことを改めて印象づけた。理論上は、合併はコスト削減が見込めるなど、妥当な判断に見える。だが、企業文化の違いや縄張り争いに加え、さざまな車種に搭載される技術を統合することは難しいと経営の専門家や業界アナリストらは指摘する。経営チームを統合させることは困難を伴うことが多く、またエンジニアは自分たちの仕事に執着し、新たなアプローチを採用することには消極的だ。さらに自動車メーカー幹部は、部品や経営計画をあまりに一体化し過ぎると、ブランドの差別化が難しくなり、同じような車ばかりになりかねないとの懸念を抱くという。
ゴーン氏逮捕で露呈、自動車業界の連合維持は難題
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