「充電させてください」が
警察沙汰になったことも

アントニン・ガイ/28歳。前職はCapgemini Consultingのコンサルタント。電気自動車関連の市場調査などを担当していた。
Photo by Haruo Wanibe

 充電する場所は、基本的に一般家庭にお願いするのだという。

「ドアをいきなりノックして、『すみません、充電させてください』とお願いする。今までお願いしたなかで、90%は応じてくれる。充電させてもらっている間は話をしたり、電気自動車について教えたり。充電が終われば、お礼に運転させてあげて、電気自動車の乗り心地を体験してもらっている」(アントニン)

 当然、不審者と間違われることもあるという。

「ペンシルバニアでは、初老の女性の方に充電をお願いしたら、まったく理解してくれなくて、警察を呼ばれてしまいました。でも、よく説明したら理解してくれて、その方はお詫びにと夕飯をごちそうしてくれた。それで電気自動車について説明したり、ぼくらの旅の目的を話したりして、仲良くなった」(アントニン)

シャビエール・デゴン/26歳。前職はEDF(フランス電力公社)の技術者だった。
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「ロッキー山脈の本当に小さな村で、充電させてくれる人を捜していたときは、『旅行者なんてめったに来ないこんなところに、何でフランス人がいるんだ』って言われた。確かに、僕らは普通の観光客とはちょっと違う。でも、そういう時にも、電気自動車のこと、電気のことなどを話す。そうやって、何人もの人との交流をしてきた」(シャビエール)

 充電を断られるのは、レストランなどにお願いしたときが多い。従業員は店の責任者に確認しなければならないから、すぐに判断できない。そのため、一般家庭にお願いすることが多いという。

日本は特別な国だ
インフラが整っている

 しかし、電気はタダではない。その点は2人も心得ており、充電させてもらった場合は、必ず電気代を支払いたいと切り出すようにしている。1回のフル充電で、フランスでは1~2ユーロ、アメリカでは2~3ドル、日本では200~300円だという。