中国の経済発展に大きく寄与した「改革開放」政策が始まってから40年となった。習近平国家主席は世界2位の経済大国となった成果をアピールし、共産党の一党支配の正当性を強調している。だがこの間、党内改革は進んでいるものの、経済政策は後退しているようにも見える。習国家主席は何を目指しているのだろうか。(フリーライター 吉田陽介)
影が薄くなる鄧小平
習近平が超えようとしているのか
40年前の12月18日の中国共産党第11期三中全会で、中国は「改革開放」に転換し、その後急速な経済発展を遂げた。その政策を推し進めた鄧小平は、毛沢東の晩年時代の経済政策による中国経済の疲弊を救ったことから、「改革の総設計士」として今も人々の高い評価を受けている。
だが、その評価もかつてほどではなくなっている。現在、中国では「改革開放40周年」の記念イベントや学術会議が開かれているが、鄧の扱いが以前ほど大きくなくなってきているからだ。