中国国際輸入博覧会に出席した
習近平国家主席の基調講演
「中国国際輸入博覧会の開催は、中国が新たな段階におけるハイレベルな対外開放という重大な政策を推し進めようとしていること、中国が主導的に世界に対して市場開放をするという重大な措置を取ろうとしていることの表れである」
11月5日、上海で開催された中国国際輸入博覧会に出席し基調講演を発表した習近平国家主席がこのように主張した。
習近平自身が2017年5月にその開催を公表した同博覧会は172の国家、地域、国際組織からの参加があり、3600社以上の企業が出展し、同博覧会を通じた成約見込み額は578億3000万ドルに上ったという。
習近平にとっては今年最後の“主場外交”(主要国際会議の自国開催)となった。4月のボーアオフォーラム(海南省ボーアオ)、6月の上海協力機構サミット(山東省青島)、9月の中国・アフリカ協力フォーラム(北京)を含め、習近平は今年自国開催した“四大主場外交”すべてに出席し、基調講演を発表しつつ、中国発の統治理念、解決策、イニシアチブ、メカニズムなどの提起を通じて国際社会における存在感と影響力を向上させるべく奔走した。
筆者から見て、主場外交は国際社会で“お友達ネットワーク”を拡大しながら中国の政治体制、イデオロギー、核心的利益を死守することをもくろむ“習近平外交”の主軸を担ってきた。
どれだけの国家の政府首脳や企業家が参加し、中国発の産物に同意するかという点は、習近平が“中華民族の偉大なる復興”と定義されるチャイナドリームを実現する上で重要な尺度となる。