現場ではマネジャーが多忙で、なかなか部下の仕事内容について全てを把握することなど困難なこともあるでしょうが、部下が携わってきた業務を非効率な状態のままで後任者に引き継げば、当然のことながら生産性は現状のまま。進歩しません。このように、マネジャーが引き継ぎの機会に業務改善を施すことは、仕事のごく一部のはずです。引き継ぎの場を当人同士に任せるのは、マネジメント不全と言っても過言ではないでしょう。

 他にも引き継ぎの場で外せないことを次にまとめてみました。特にマネジャークラスの方は注視してください。

同じやるなら人任せではなく
「人材が成長する」引き継ぎを

 新任者にこれまでの業務を漏れなく引き継ぎ、前任者の頃とまったく変わらず日常が回るようになると、安心してしまうマネジャーは少なくないでしょう。しかしながら、それはとてももったいないやり方かもしれないと認識することを、まずは肝に命じましょう。

 前述したように、当人同士に任せたやり方は、改善点を放置したままのバトンタッチの危険性があり、よほど後任者の意識が高く、自身で改善策をどんどん諮るような人材でない限り、単なる前任者のコピーを生み出してしまうこともあるのです。

 仕事を進めるのは人間です。前任者と同様のやり方ではなく、さらに良い方法で職務に当たってもらい、生産性の向上を図ることができれば、新任者自身の成長にも繋がります。こうした人の成長を視野に入れた引き継ぎ策の要点を、以下にまとめました。要点ごとにこれまでの引き継ぎ方法を振り返りながら、軌道修正をする箇所を探ってみてください。

 経理業務には“マニュアル”は付き物です。さて、そのマニュアルですが、何年も見直しがされていないことはないでしょうか。その間、社内を取り巻く環境には何かしらの変化が生じているはずです。ひょっとしたら、陳腐化している内容がそのまま列挙されているかもしれません。できれば、日頃から時間がある際にでも、マニュアルを適宜見直して、刷新する箇所がないかチェックすると、引き継ぎの場で慌てなくて済むでしょう。