高岡浩三氏が「日本で最も評価されるべき経営者」として名前を挙げたユニ・チャームの高原豪久社長 Photo:REUTERS/AFLO
「プロ経営者」とメディアに持ち上げられていても、実際に経営の実力がある人物は少ないと、元ネスレ日本CEOの高岡浩三氏は警鐘を鳴らす。それでは、高岡氏が評価する日本の経営者は誰なのか。特集『高岡浩三の「企業の通信簿」』の本記事では、ユニ・チャーム社長の高原豪久氏など、高岡氏が考える優れた日本の経営者たちについて解説してもらった。
人口減の日本でも持続的な成長を実現
ユニ・チャーム高原社長「10年計画」のすごさ
世の中はやれ「V字回復」だ、「プロ経営者」だと、派手な数字やメディア受けするパフォーマンスばかりがもてはやされます。だけど、僕はそんなもんは経営の神髄でも何でもないと思っているんです。本当の経営の実力っていうのは、10年、15年と持続的に、それも売り上げと利益の両方を右肩上がりで伸ばし続けられるかどうか。これに尽きるんですよ。
ところが、今の日本でこういう「まともな経営」ができている人がどれだけいるか。メディアに出る有名人じゃなく、現場で静かに、でも確実に未来をつくっている「本当に優れた経営者」について、僕の視点でお話ししたいと思います。
僕が今、日本で最も評価されるべき経営者として真っ先に名前を挙げるのは、ユニ・チャーム社長の高原豪久さんです。
彼は過去最高益を積み重ね、25期連続で増配してきた実績がある。“踊り場”といわれる時期があったにせよ、人口減少で子供の数が激減している日本市場を考えれば、驚異的なことなんですよ。
高原さんの何がすごいのか。僕が知る限り、日本の上場企業の社長で「10年計画」という長期ビジョンを明確に出しているのは、あの人だけなんです。
日本のサラリーマン社長は大抵、3年先のことしか言わない「中期経営計画」が大好きでしょう。でも、あんなのはただの「目標」であって、戦略じゃあありません。
高原さんの場合は違います。まず10年先の「こうあるべきだ」というビジョンを描き、そこへ到達するための「一里塚」として3年計画を区切っているんです。これはネスレのようなグローバル企業が当たり前にやっているやり方ですが、日本では高原さん以外にほとんど見掛けません。







