1年の締めくくりにふさわしいクラシック音楽とは!? 書籍『クラシック音楽全史 ビジネスに効く世界の教養』の著者で元東京フィルハーモニー交響楽団広報渉外部長の松田亜有子さんに、冬休みに聴くべきおススメのクラシック音楽を独断と偏見で選んでもらいました。冬の夜長のお伴を選ぶ参考になさってみてください。

冬休みに聴きたいクラシック音楽とは?

 おススメの曲は本当に沢山あるので、選ぶのは難しいですね。

 でもまず今年の年末は、久しぶりにベートーヴェンの弦楽四重奏曲第16番ヘ長調を聴こうと思います。なぜなら、この曲を聴くと、「自分はこれでいいんだ」と今を肯定できる気持ちになるから(笑)。2018年の締めくくりにおススメです。

 この曲は、ベートーヴェン最晩年の傑作と言われています。特におススメなのが第3楽章。美しい旋律が次々と語りかけてきて、最後はベートーヴェンらしくぐっと気持ちを上向きにしてくれます。べ―トーヴェンが亡くなる5ヵ月前に完成した作品と言われていますが、ある境地に達しているようにも感じます。

 ちなみに、聴くならば弦楽四重奏ではなく、私はレナード・バーンスタイン指揮のウィーンフィル弦楽合奏版を断然推します。私自身も組織を離れて独立した今年を振り返りながら、この曲を聴いて新たな年への英気を養います!

 このほかに挙げるならば、ドヴォルザークの弦楽四重奏曲第12番ヘ長調『アメリカ』は、気持ちがパっと明るくなるので、これも是非聴きたいですね。

 年が明けたら、モーツァルトの交響曲第41番『ジュピター』でしょうか。ぐっと世界が広がってゆく感じがして、希望に溢れている曲です。

 テレビでは、12月31日から毎年恒例の「ジルベスターコンサート」(テレビ東京)が放送されます。ピタっと1月1日0時に曲が終わるように演奏しなければならないので、毎回現場はドキドキ……。指揮者の譜面台にはタイムウオッチが置かれて、楽団員も真剣勝負です。東京フィルハーモニー交響楽団のスタッフは毎年、元旦夜中にオーチャードホールで解散して、その年の仕事が終わります。

 年が明けて1月2日からは、ニューイヤー公演がスタート。年末年始のオーケストラ公演は、毎年チケットがすぐに売れてしまうほど高い人気を誇っています。是非一度は生で聴いてみていただきたいですが、お出かけになるのが難しい場合や、おうちでゆっくり過ごしたいという方は、自宅でクラシック音楽を聴く年末年始の過ごし方もいいかもしれません。