日産自動車の西川広人社長兼最高経営者(CEO)は、映画「スタートレック」に登場するスポックのような人となりから「宇宙人」「サイボーグ」などと呼ばれていた。40年をかけて日産のトップに上り詰める間、同僚にもほとんど私生活を明かさなかったことから、妻帯者かどうかさえも知らない人も多かった。だがそれはどうでもいいことだった。長年にわたり日産を率いたカルロス・ゴーン被告が強力なカリスマ性の持ち主だったためだ。ゴーン被告はダボスからデトロイトまで世界各地を飛び回り、日産の立て直しや未来の車の構想についてのメッセージを伝えた。西川氏は会合で「ゴーンが言うには」と切り出し、上司の言葉をおうむ返しにすることもしばしばだった。両氏と業務上、関わりのあった複数の関係者が明らかにした。
「宇宙人」西川氏が運転する日産、新年も課題山積
「ブルータス」のレッテルも剥がさなくてはならない
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