世界経済が減速の兆候を示し、主要中銀が金融政策の引き締めを続けるなか、投資家は2019年の米国株への期待感を抑えつつある。強気相場の継続に疑念が生じていることもあり、ファンドマネジャーの多くはボラティリティーがさらに高まっていくとみている。多くの金融機関のアナリストはS&P500種指数の2019年のリターンがプラスになると予想している。ただ、モルガン・スタンレーのチーフ米株ストラテジスト、マイク・ウィルソン氏らは、リターンが1ケタ台前半にとどまるとみている。S&P500の2018年の終値は2506.85で、年間では166.76ポイント(6.2%)の下落だった。企業の利益は人件費と材料費の上昇による圧力を受け、成長が緩やかになると見込まれている。そうなれば投資家の株式市場への新規投資意欲はそがれる可能性がある。