日産自動車カルロス・ゴーン前会長は8日、ようやく日本の法廷で10分間の時間を与えられた。検察側の勾留の理由は昨年11月19日の逮捕時と大差ないようだ。「不思議の国のアリス」の言葉を借りれば、国際ビジネス史上で最もおかしな案件は「ますます奇妙」になりつつある。  ゴーン氏をめぐる手続きは間違いなく「判決が先。評決は後」という性質のものだ。日産を救ったとして国民的英雄になった人物が正式に起訴されているのは、今のところ有価証券報告書の虚偽記載についてだけだ。だが同氏が7週間にわたって勾留されているなか、検察側は捜査のための別の容疑を積み上げている。