メキシコPhoto:PIXTA

 メキシコの悪名高い麻薬王ホアキン・グスマン(通称エルチャポ)被告の裁判によって、これまでベールに包まれていた密輸組織「シナロア・カルテル」の実態が明らかになった。検察側は、カルテル組織の元ボスたちを含め、何十人もの証人を登場させた。彼らの証言で判明したのは、グスマングスマンとその仲間たちが、何十億ドルもの規模の麻薬帝国をいかにして築き上げたかということだった。

 ニューヨークのブルックリン地区連邦裁判所で始まった裁判では過去2カ月の証言によって、カルテルによるコカイン、マリフアナ、その他違法薬物の米国への密輸方法について詳細が明らかになった。密輸には乗用車、列車、航空機、潜水艇、そして地下トンネルまで利用されていた。証人らは、警察などの法執行当局者への何百万ドルもの賄賂や、ライバル組織との抗争の中での殺人などについて証言した。

 グスマン被告は、麻薬密輸、マネーロンダリング(資金洗浄)、その他の罪状について無罪を主張している。グスマン被告は、メキシコの厳重警備の刑務所から2回脱獄しており、その後、米国で裁判にかけられるまで何年もの時間がかかった。

 裁判が終わるまでには、さらに数週間かかるとみられる。これまでの裁判で明らかになった興味深い内容を以下に紹介する。