設計書を前に議論するマツダE&Tのメンバーたち 

かつて生産性ナンバーワンだった日本の製造業を中心とする企業が、なぜ世界の後塵を拝するようになってしまったのか。DOL特集『ルポ 闘う職場~働き方改革では生産性は上がらない』では、日本企業を覆う「仕事力損壊」の実態を浮き彫りにしつつ、そこからの脱却を目指す企業人たちの悪戦苦闘のドラマをリポートしていく。第5回は、マツダの関連会社でエンジンなどの開発を手掛けるマツダE&Tで、部下から突きつけられた言葉によってリーダーとして生まれ変わった男の姿を追った。(ライター 根本直樹)

技術者としては一流だが
リーダーとしては失格

 広島市にある自動車メーカーマツダの関連会社で、エンジンの開発などを手掛けるマツダE&Tで四半世紀にわたり、ディーゼルエンジン関連の設計を担ってきた森大輔(42歳)は昨年3月、自ら希望してパワートレイン開発本部PT設計部車載設計グループに異動、主幹となった。

 新たな職場は、マツダ車に搭載するラジエーターなどの車載機器を設計する部署だが、エンジン一筋できた森にとって、そこはこれまでの経験や知識がほとんど通用しない世界だった。