議論するマツダE&Tのメンバーたち
議論するマツダE&Tのメンバーたち

かつて生産性ナンバーワンだった日本の製造業を中心とする企業が、なぜ世界の後塵を拝するようになってしまったのか。DOL特集『ルポ 闘う職場~働き方改革では生産性は上がらない』では、日本企業を覆う「仕事力損壊」の実態を浮き彫りにしつつ、そこからの脱却を目指す企業人たちの悪戦苦闘のドラマをリポートしていく。第6回は、マツダの関連会社でエンジンなどの開発を手掛けるマツダE&Tで、部下と上司から「リーダー失格」の烙印を押された管理職がいかに復活していったか、前回に引き続き追った。(ライター 根本直樹)

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部下からも上司からも押された
「リーダー失格」の烙印

 エンジンの開発を行っていた以前の職場でチームリーダーだった森大輔(42歳・現パワートレイン開発本部PT設計部車載設計グループ主幹)は、ある時、緊急性の高い難しい設計を引き受け、部下の1人だったA君(30代)を共同作業者に指名した。納期までわずか2週間。2人は必死に図面と格闘し、無事仕事を完遂することができた。森にとっては充実した日々だったという。

 ところが──。A君の口から意外な言葉が飛び出した。

「あなたのせいで達成感がないんですよ」