──当時、東京に知り合いはいたんですか。

日高 いえ、親戚や友だちなど、頼れる人は誰もいませんでした…。

──そんな状況で、単身で上京するとはすごい覚悟ですね。

“起業家版トキワ荘”で
切磋琢磨

paters代表取締役CEO 日高亜由美さん
paters代表取締役CEO 日高亜由美さん

日高 今思えば、本当に無謀な考えだったんです(笑)。ただ、ラッキーだったのは、その際に六本木の「リバ邸」というシェアハウスに入居できたことです。ここは「何か新しいことをしたい!」という気持ちを持った起業家が集まる場所だったんです。

 私自身は当初はカメラマン志望だったので、起業したいという気持ちは全くなかったんですが、毎日のように彼らが新しいアイデアを生み出したり、起業のために切磋琢磨している姿を見ていると、次第に「起業って面白そうだな」と影響を受けるようになりました。

──シェアハウスで、同じ志を持った仲間たちと切磋琢磨する…。手塚治虫、赤塚不二夫ら著名漫画家が青春時代を過ごした「トキワ荘」がありましたが、「リバ邸」はまさに“起業家版トキワ荘”といったイメージですね。

日高 実際、当時一緒に住んでいた仲間たちのなかで、起業して、有名な社長になった人もたくさんいますし、今もつながっている人も多いんです。また、リバ邸にはプログラマーの人もいて、次第にプログラミングにも興味を持つようになったのも大きなターニングポイントでした。そこで、まったくのプログラミング素人の状態から、独学でプログラミングを勉強するようになりました。

 もちろん自分だけで勉強するのには限界があるので、スキルシェアなどのサービスを通じて、プロのプログラマーさんに1時間5000円くらい払って教えてもらったりもしました。当時、リバ邸で出会った友人の会社で仕事をしていたんですが、20万円前後の給料のうちの大半をプログラミングの勉強につぎ込んでいましたね。