米アマゾン・ドット・コムは20年以上かけて世界最大の書籍販売業者に成長し、無名の本を必読書に押し上げることのできる比類ないショーウインドーを生み出した。最近では自ら書籍の出版も手掛けている。ベテラン作家のマーク・サリバン氏は2015年、第2次世界大戦を題材にした長編小説「Beneath a Scarlet Sky(緋《ひ》色の空の下で)」を出版しようとしたが、ニューヨークの出版社8社に拒絶された。その後アマゾンの出版部門に拾われ、数万ドルの前払い金を受け取った。2017年に出版され、会員向け先行ダウンロードプログラム「Amazon First Reads(アマゾン・ファースト・リーズ)」で取り上げられた。このサービスで米国の登録者700万人超に毎月送られる電子メールには、もっぱらアマゾン出版部門の書籍が並ぶ。