選択肢が多いことはストレスになる

 コロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授は、スーパーである実験をした。

 店内にジャムの試食販売売り場を二つ作った。一つは24種類のジャムを、もう一つは6種類のジャムを陳列。売上を比較した。

 結果、24種類の売り場では、100人中60人が足を止め、買ったのは2人。注目を集めたが、そのうち3%しか購入しなかった。

 6種類の売り場では、100人中40人が足を止め、買ったのは12人。注目度は2/3に減ったが、そのうち30%が購入した。選択肢を絞っただけで、なんと6倍も売れたのである。

選択肢が多すぎると選べない

 他とはっきり区別できる商品、たとえば本や音楽などでは、選択肢が多い方が好みの商品を見つけることができる。しかし他との違いがよくわからないような商品の場合、選択肢があまりにも多すぎると逆にお客さんのストレスになる。選択肢が多すぎて、「自分の選択が間違っているのでは」と考えてしまうのである。結果、商品購入のハードルが上がる。

 このような場合は、むしろ商品の違いが明確にわかるように選択肢を絞った方が、お客さんは買う決心がしやすくなるので、売れるようになる。実際にP&Gは、フケ防止シャンプーが26種類もあったが、売上の少ない商品を廃止して15種類に絞ったところ、売上は10%も上がったという。

 アップルのiPhoneやMacBookも、機種数がとても少ない。これもお客さんが選択に迷うことなく、買うようにするためである。

 選択肢を絞り、さらに松竹梅マジックを組み合わせて売れたケースもある。メガネの製造・販売を行っているJINSは、メガネフレームの価格帯が4種類(4900円、5900円、7900円、9900円)あった。これを3種類(5000円、8000円、1万2000円)に絞ったところ、価格帯の中心値が5000円から8000円になり、販売価格が3000円も上がったという。価格帯を3種類にして、さらに中央の8000円に誘導した結果だ。