保育園で遅刻する母親に
罰金を科すと逆に遅刻が増える!?
一般的に、罰金やペナルティーは、社会において犯罪や違反行為が起きないようにするための“抑止効果”として使われる。
ところが、必ずしも抑止とはならない場合もある。例えば、犯す違法行為に対して罰金が軽すぎる場合だ。わが国における企業不祥事やインサイダー取引などは、その典型例といえるだろう。いつまでもその種の犯罪がなくならないのは、明らかに刑が軽すぎるからだと筆者は考える。
しかし、そういうケースとは全く異なる理由で抑止効果が効かないことがある。さらに、抑止どころか罰金を科すことによって、かえってルール違反が増えるという不思議な現象があるのだ。
外国のある保育園で、子供たちを迎えに来る母親が遅れてくるというケースが相次いだ。仕事で忙しいという立場は分かるものの、保育園としても職員に残業をさせなければならないなど困ったことになる。そこで、遅刻を防ぐため、1時間遅れるごとに10ドルの罰金を取ることにした。
ところがこれにより、逆に遅刻をする人が増えてしまったのである。