70年前から続く領土問題でロシアが日本に外交アプローチを行っている目的の1つは、より価値のある成果を確保することだ。それは、この地域で最大級の米国の同盟国である日本との政治的関係の拡大だ。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は22日、安倍晋三首相とモスクワで会談した。両者の会談は過去3カ月で3回目となる。しかし専門家らによれば、安倍首相にとって重要課題となっているクリル列島(千島列島)をめぐる論争が解決する可能性は、依然としてごくわずかだ。東京のテンプル大学ジャパンキャンパスで教鞭(きょうべん)をとる日ロ関係専門家のジェームズ・ブラウン氏は、「ロシアの指導者は、この論争を活発な状態に保ち日本への影響力を維持することが役に立つのを知っている」と語る。