まず、食の品質を高めることがビジネスの基盤と考え、サプライヤーとの関係を強化しました。そして、セットメニューのラインアップを充実させ、より幅広い選択肢から選べるシステムを導入しています。店舗に関しては15年時点で半数以上が老朽化していましたが、既存店の大幅改装を進めました。現在は92%がモダンになり、メニューボードもデジタル化しました。「クルー」と呼ばれる店舗スタッフの研修や採用にも力を入れており、現在は全国で約14万8000人が働いています。

 マクドナルドの最新メニューや、クーポン情報などが見られる公式アプリは5400万ダウンロードに達し、これは全世界のマクドナルドで最多です。楽天ポイントなどと連携し、キャッシュレス化も進めています。これらは全てお客さまに素晴らしい店舗体験をしてもらうためであり、客の声を実現していることが相乗効果を生んでいます。

 しかし計画を立てただけで、それを実行する人がいないと机上の空論になってしまう。そういう意味でもう1つの成長要因は、チーム一丸となれたこと。全員が同じゴールを理解し、お客さまの満足のために従業員一人ひとりが何をできるのか考える、こうしたことが全体的にうまくいっているのだと思います。

手頃な価格も大事だが
店舗体験がさらに重要

──かつてマクドナルドは「デフレの勝者」と呼ばれましたが、当時と経営の視点は変わりましたか。

カサノバ 当時とはお客さまの考えが違っています。もちろんバリュー(手ごろな価格)も大事ですが、私たちは店舗体験を改善することに努力しています。

 日本にはマクドナルドの思い出を持っている人が多い。例えば1号店が銀座にオープンしたときの話や、シェイクを初めて飲んだときの話。リーズナブルであると同時に、そうした思い出をつくれる素晴らしい店舗体験をこれからも届けたいと思っています。

──客単価は上がっています。

カサノバ いろいろな理由が考えられます。この数年間で家族での来店が増え、グループサイズが大きくなっています。セットメニューが充実したことで消費者にさまざまな選択肢を提供できている。ボリュームがある夜マックの利用も増えています。繰り返しになりますが、これらは全てお客さまの要望に基づいて考案したものです。