――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター
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この2年間、世界はまず右派のポピュリストの台頭に、そして次に活力を取り戻した左派に揺さぶられ続けた。いずれも物事を不安定化する根深いトレンド、すなわち中道派支持層が減少していることの産物だ。
欧州連合(EU)離脱をめぐる英国の混乱や、米国の政府機関閉鎖が示す通り、中道派を支持する層の縮小は各国政府の実行能力を奪っている。さらに移民や貿易、気候変動といった世界共通の課題に立ち向かうのに必要な国際協力もむしばんでいる。
とりわけ今週、ダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)に集まる世界のビジネスリーダーにとっては脅威となる。彼らは中道派政党が主導する市場寄りの政策や世界的な市場開放による最大の受益者だからだ。彼らは次第に左右両極の反政府勢力に対処する必要に迫られている。だがこの両勢力はグローバル化や大手銀行、大手IT(情報技術)企業に対する不信感を除き、ほとんど主張に共通点がない。
中道派の崩壊は何年もかけて進行中だが、その形態は国によって異なる。西欧では、既成政党から分派した新興政党が勢いを増したことがきっかけとなった。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)のサイモン・ヒックス教授(政治学)によると、2007年~2016年に西欧諸国の社会民主主義(中道左派)政党の得票率は31%から23%に、中道右派政党の得票率は36%から29%に低下した。



