家庭用エネルギー管理システムが新たな顧客データの宝庫として注目され始めるなか、アルファベット傘下の米グーグルとアマゾン・ドット・コムは電力事業に踏み出しつつある。両社は電力自体の販売には関心がない(少なくとも今のところ)。消費者の個人的なエネルギー利用に関する情報を押さえるために、スマートスピーカーやネット接続サーモスタット(室温制御装置)をはじめとする機器を広める方法を探っているのだ。そのデータは大きな力を秘めている。ピーク時の電力利用を減らす動機を消費者に与える形で、エネルギー需要の管理に使われる可能性があるのだ。ハイテク企業がエネルギーに関して掲げる構想は今のところ限られているが、一部の幹部は太陽光パネルや蓄電池、さらには電気自動車までもが「スマートホーム」のエコシステムに組み込まれた未来を思い描いている。業界幹部やコンサルタントによると、そのシナリオではエネルギーを届けるソフトウエアとシステムを制御する企業が市場で恐るべき地位を得る可能性がある。