東京スカイツリーが開業して1週間半が経った。押上、浅草周辺は平日、土日にかかわらず多くの人で賑わっている。東日本大震災や景気悪化、消費税増税論議など、明るいニュースが少ない中で、唯一と言っていいほど心躍る話題だ。開発を担った東武鉄道グループも予想通りの人気ぶりに胸を撫で下ろしていることだろう。ところが、ツリーのお隣に建つオフィス棟の「東京スカイツリーイーストタワー」は、テナントが入らずガラガラ。大苦戦中だ。(ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)
成約率は25%で入居は4社
12階オフィス棟ロビーは閑散
東京スカイツリーの開業初日である5月22日(火)はあいにくの雨模様であったが、来場者は22万人、開業から5日間で113万2000人となった。テレビはどのチャンネルをつけてもスカイツリー。この数週間はまさに“スカイツリー祭り”だった。
東武鉄道が7年がかりで手がけた大プロジェクトは、一見するとすべてが順調にいっているように見える。が、燈台下暗しとはよく言ったもので、ツリーのお隣に建つオフィス棟の「東京スカイツリーイーストタワー」は、大苦戦中なのだ。
オフィス棟のロビーは12階。実際に、足を運んでみると、警備員が、人がほとんどいない閑散としたロビーを警備していた。暇を持て余してか、「どちらをお尋ねですか」と、速攻で記者に尋ねてきた。打ち合わせ需要を見込んで入居したであろうカフェのプロントにも、もちろん客はゼロ。何とも寂しい限りだ。
オフィスとして入居できるのは13階から29階の全17フロア7731.91坪。現在のところ成約率は25%で、入居者は4社。大手ゼネコンの大林組、エレベーター大手の東芝エレベーター、ジオテクノス、エコシステムジャパンだ。このうち、大林組はスカイツリーの設計・建設を担い、東芝エレベーターはスカイツリーのエレベーターを納品している。この2社はいわば“身内”に近い。
1フロアは4区画あり、“身内”の2社は13階の2区画に、他の2社は14階の2区画に入居している。現在のところ、15階から上は誰も入居していないということだ。